仕事に求めるものは人それぞれの優先順位があると思います。
その中で、みなさんは何を優先しますか?
マイナビの調査によると、2019年卒の学生が求める就職観は
1位 33.3% 楽しく働きたい
2位 24.2% 個人の生活と仕事を両立させたい
3位 15.0% 人のためになる仕事をしたい
だそうです。
近年は楽しく働くことを望む学生の割合が増えているようです。
確かに、人生において仕事が占める割合は高いので、楽しく働きたいのは間違いないでしょう。
でも、ここで一度考えてみてください。
「楽しく働く」って、一体どういうことでしょうか?
- 何でみんな楽しく働きたいのだろう?
- 楽しく働きたい学生は「雰囲気」重視
- 良い雰囲気を作る要素とは?
- 職場での良好な人間関係を築きたいなら?仕事でコミュニケーションを図る
- さいごに。仕事そのものも意外と楽しい
何でみんな楽しく働きたいのだろう?
そもそも、この背景にはパワハラやブラック企業への恐れ、長時間労働による過労死など、働くことに関するマイナスイメージがあるからだと推測します。
特に今の学生世代に関しては、一昔前の世代の厳しい働き方に対して嫌悪感を抱いたり、否定的な視点を持ったりしているでしょう。
そういった厳しい働き方をしないために、いわば逆説的な形で「楽しく働きたい」という意識が強くなっているようにも感じます。
楽しく働きたい学生は「雰囲気」重視
アンケートでも会話の中でもよく聞かれる「雰囲気」という言葉
私の会社で採用説明会を行う時、最後に学生へアンケートの協力をお願いしています。
その中で、「仕事を選ぶ際に重視しているものは何ですか?」という問いがあり、用意した10項目のうち上位3つを選んでもらっています。
このアンケートを集計すると、だいたい「職場の雰囲気」が一位か二位になります。
面接の場でも、
「我が社のどこに魅力を感じましたか?」
と聞くと、
「上司部下含めて社員さん同士の仲が良くて」
「こんなに雰囲気の良い職場は見たことありません」
という声をいただきます。
(そんなに褒められると嬉しいですけどね)
考えて欲しいのは「良い雰囲気はどのように作られているか」
まあ確かに、普段から雰囲気を良くしようという意識はあるので、説明会だけの取り繕ったものではないと自負はしています。
でも私は、そこで学生へこんな質問をします。
「何でこんなに雰囲気が良いと思う?」
「良い雰囲気を作るために、あなたは何を意識しますか?」
ここで考えて欲しいのは、「“仕事において”良い雰囲気はどのように作られているのか」ということです。
良い雰囲気を作る要素とは?
基本的には「協調性」が必要
上記のように、「何で雰囲気が良いと思うか、その雰囲気を作るために何を意識するか」と学生に質問してみます。
すると、だいたいの答えは似てきます。
「周りの人を尊重する」
「空気を読んで発言する」
「冗談を言って場を盛り上げる」
つまり人間関係を良くするための働きかけに意識が向いています。
どの場面でも人と関わることがほとんどなので、この協調性は基本的な要素といえます。
面接などでも、特に「協調性」をアピールする学生は多いと感じます。
(一時期、潤滑油という比喩表現が流行りましたね)
働くうえで良い雰囲気を作るは、仕事への姿勢
もう一度言うと、協調性も大切ではありますが基本的なことです。
少しキツい表現をすると、仕事においては協調性に集中しすぎて肝心の業務遂行力が備わっていなければ価値は半減します。
本当に職場の人間関係を良くするためには、
「仕事を一生懸命すること」
「仕事ができる人間になること」
これに尽きます。
なぜなら、職場の人間関係は仕事で創られることが前提だからです。
その先に、良い雰囲気が出来上がるのです。
職場での良好な人間関係を築きたいなら?仕事でコミュニケーションを図る
ここまでをおさらいすると、
楽しく働く=良い雰囲気=良い人間関係です。
その中で、職場の人間関係を良くするためには、仕事を通してのコミュニケーションから大切にすべきです。
同じ部署であれば、仕事の相談や共有、意見交換などです。
「この仕事はこう進めたいんですが、どう思いますか?」
「良い構成が思いつかないんだけど、知恵を貸してくれない?」
「さっきお客さんからこんな意見があってさ」
といった感じでしょう。
他部署であれば、その部署が行っている業務内容や工夫などです。
「○○の事業って今どこまで進んでるの?」
「後輩の指導ってどうやってしてますか?」
といった具合でしょうか。
仕事をしていて意見を求められたり、頼られたり、自分業務に興味を持たれたりすることが嫌な人は少ないと思います。(もちろん、言い方やタイミングは大事ですけどね。)
そういった仕事でのコミュニケーションの積み重ねから築かれる信頼関係から、良い雰囲気ができあがります。
楽しく働く環境はそこに用意されているものではなく、自分で作っていくものなのです。
さいごに。仕事そのものも意外と楽しい
今の学生が1番求めている「楽しく働きたい」という欲求。それを満たすものは、良い人間関係や良い職場の雰囲気なのは間違いないでしょう。
でも、もう一つあります。
それは“仕事そのもの”です。楽しく働くポイントは、仕事の中にも見つけられませんか。
- 自分で試行錯誤して試したことがうまくいった
- 今までできなかったことができるようになった
- 後輩の成長が見れた
- 覚えた知識や技術を発揮できた
- 誰かに褒められたり仕事ぶりを認められた
何でもいいです。
働いていて、「気持ち良い瞬間」ってどこかにありませんでしたか?
その気持ち良い瞬間をどんどん味わえるように頑張ってみると、意外と仕事自体も楽しんで働けると思います。
学生が求める「楽しい働き方」を、社会人の視点から見てみました。
会社を選ぶ時に、その会社の雰囲気が気になるのはわかります。
でも、ただ会社の雰囲気だけ見るのではなく、その背景でどのように仕事に取り組んでいる人がいるのか。そこをぜひ注目してみてくださいね。