みなさん、「しくじり先生」というテレビ番組を観たことはありますか?
個人的にかなり好きな番組で、いつも楽しく拝見させていただいています。
今回は、そのしくじり先生を参考にして社内研修のプログラムを考えた話をしたいと思います。
「しくじり先生」とはどんな番組?
一言で説明すると、「有名人が自分の過去のしくじりを経て学んだことを話す」という内容の番組です。
講演者はお話が上手な方も多く、笑いを交えながら過去の経験を伝えられています。
どんな経験をしてきたのか。
その時、どう思って行動したのか。
何がいけなかったのか。
これからはどうしようと思っているのか。
過去の「しくじり」経験からの教訓は、有名人とは立場の違う私たちであっても共感できる内容が多いです。
まだそこまで観たことがない方は、ぜひ一度ご覧ください。(番宣か笑)
なぜ「しくじり先生」を社内研修の参考にしたのか
私は割といい意味の妄想癖がある人間です。
しくじり先生を観ながら「もし自分ならどう話すかなー」なんて妄想をしていました。笑
自分の大きな「しくじり」を思い出し、恥ずかしくなった事もありました。
でも、そこでふと思ったのです。
「しくじり」とは、要は「失敗」ですよね。
自分も含めて、世の中で働くほとんどの社会人は「失敗」を乗り越えてきたはずです。
特に、若手時代に。
そして今働いている若手社員は、同じように失敗を経験し、壁に当たっている人も多いのではないでしょうか。
番組ほどの大きな規模でなくても、社内の身近な人から「失敗から得た教訓」を聞く機会があったら参考になるのではと思いました。
丁度良いタイミングで社内若手研修のプログラムを考えていたので、提案することにしました。
実際に社内研修で行ったプログラムとは?
人事部の最高責任者に案として出してみた結果、「めっちゃ面白そうだね」と共感してくれました。
ここから、具体的な内容を考えていきました。
【研修プログラム内容】
〈目的〉
先輩がしくじり(失敗)から得た教訓を聞き、自分の仕事に活かす
〈対象〉
若手社員(3年目まで)
〈講師〉
中堅社員(10年目前後)
〈スケジュール〉
アイスブレイク
講義①
講義②
昼食
若手社員の振り返り
グループワーク
【内容の決め方やポイント】
・アイスブレイクでは、単に「先輩社員が凄い」という感想ではなく「なぜしくじりや失敗を乗り越えられたのか」に視点を置くような前置きを入れました。
・講師は2名で、中堅の男性と女性を選出。
できるだけエース格の、バリバリ活躍している人望のある社員に声をかけました。
その方が、若かりし頃のしくじりと現在のギャップがあって印象に残るかと思いました。
・講義後は、若手社員の業務振り返りです。
今までの自分の課題と、講義を聞いた上でこれから意識・行動することをまとめてもらいました。
・最後にグループワークです。
1〜3年目が混ざってグループを作り、「理想とする先輩像」や「後輩に見せたい姿」のテーマを選び、模造紙にまとめて発表しました。
研修後の声
上記の内容で、初めてしくじり先生の要素を取り入れた講義形式の社内若手研修を行いました。
その中で、受講者にはアンケートを、講師には感想を聞いてみたのでまとめます。
あくまで参考程度に。。
受講者の声
「完璧だと思っていた先輩も、失敗や苦労を重ねて今の姿があると知った」
「普段、先輩の過去の話や仕事への価値観を深く聞く機会がないので、貴重な体験だった」
「今悩んでいることと似たような内容もあって、自分の参考にしたいと思った」
「先輩ともっと関わりたいと思った」
講師の声
「自分の過去を真剣に振り返ることはなかったので、初心に戻れた気持ちになった」
「後輩のモチベーションアップだけでなく、自分ももっと向上したいと思えた」
「普段関わることのない後輩にも良かったと言ってもらえて、意外と嬉しかった」
しくじり先生を研修に取り入れた主催者側の所感
「エース格で人望のある先輩のしくじり話は意外性があり、若手社員にとって刺激となっていた」
「講師側には資料作成や講義等の負担をかけてしまうので、理解を得るためにも導入意図を明確にしておくことが大切」
「受講者は誰一人眠そうな人はおらず、全員参加できていたと感じた」
「振り返りやワークの部分は、年代の特徴によって変えてもいいかも」
中堅社員に講師のお願いをする時、最初は「忙しいから」と邪険に扱われるのでは?と思っていました。
しかし、その上司も含めて意外と協力的に受けていただけたことが非常にありがたかったです。
こういう組織風土は、継続していかなければと改めて感じました。
まとめ
社内研修には、主に2つのパターンがあると私は考えています。
「知識やスキルを習得する研修」
「モチベーションを高める研修」
今回の若手研修は、下のモチベーションを高める研修として効果がありそうな気はしています。
色々と条件があったり他部署に負担をかけてしまうこともありますが、似たような形で今後も継続できればと思います。
しくじり先生、ありがとうございます。笑